Amieがスーパーフルーツ「サジー」がすごいらしい!と教えてくれて、ちょっと調べてみたら「ビタミンA、ビタミンC、ビタミンEなどのビタミンのほか、ミネラル、アミノ酸などなど、200種類以上の栄養成分が含まれている」ということがわかりました。
しかもサジーは、過酷な環境でも生きることができるとても生命力が強い植物だそうで、ユーラシア大陸に広く分布しているので、自分たちでも育てられるんじゃないかと思い、よく調べてみました。
ちなみに業務スーパーで「サジージュース」が売っていたので飲んでみたのですが、そのままでは酸味が強いので結構酸っぱいのですが、ヨーグルトに混ぜると美味しくなりました。
この記事ではスーパーフルーツ「サジー」について、調べてことをまとめてみました。
サジーとは
サジーはグミ科ヒッポファエ属の落葉低木樹で、高さは2~4メートルくらいあり、イクラのようなオレンジ色の果実がなる植物です。
「サジー」という名前は産地によって色々違い、ヨーロッパでは「シーベリー」、アメリカでは「シーバックソーン」と呼ばれています。
たくさんの名前がweb上にあったのでまとめてみました。(一部読み方はGoogle翻訳で聞いてみて聞こえたものなので、違ったらごめんなさい。)
- 分類:グミ科ヒッポファエ属
- 学名:Hippophae rhamnoides(「輝く馬」「馬の毛が輝く」という意味だそうです)
- 英語:Seabuckthorn(シーバックソーン:「海の後ろのとげ」 という意味だそうです)、Seaberry(シーベリー)
- 日本語:Saji(サジー)、別名:ウミクロウメモドキ、スナヂグミ
- ロシア語:Oblepikha(облепиха:オビルビーハ)
- フランス語:Argousier(アルグジエ)
- イタリア語:Olivello Spinoso(オリベロスピノソ)
- フィンランド語:Tyrni(トゥルニ)、 Seaberry(シーベリー)
- スウェーデン語:Havtorn(ハブトーン)、Finbar(フィンバー)
- オランダ語:Duindoorn(ドゥインドーン)
- ポーランド語:Rokitnik(ロキトニク)
- ネパール語:Tora(タロ)、 Chichi(チチェイ)、Tara Chuk(タラチュク)
- ドイツ語:Sanddorn(ザントドーン)
- デンマーク語:Tinved(ティンブド)
- 中国語:Shaji(シャージ(沙棘))
- モンゴル語:Yashildoo Chatsargana(チャチャルガン)
- チベット語:Dhar-bu(ダーブ)、star-bu(スターブ)
- パキスタン語:Milech(メルク)
- ヒンドゥ語:Dhurchuk(ダーチュク)
- スペイン語:Espino Armarillo(エスピノアーマリロ)
「サジー」にたくさんの名前がある理由は、中国・モンゴル・インドからシベリア・西欧・北欧まで広く分布しているからのようです。
というのも、2020年に公開されている日本食品科学工学会誌の「新しい果実シーベリー,実は最古の植物です」という資料が載っていました。
その中を見ると、「サジー(シーベリー)」は古い植物だからいろいろな地域に広がっているようですね。
シーベリーの歴史は古く,2 億年前にさかのぼる.パンゲア大陸のユーラシア地域で海から陸に上がった最初の植物の 1 つである。
引用元:「1.はじめに」
そして果実に含まれる栄養素がとても多く高いため「奇跡の果実」と呼ばれているようです。
加えて,自社栽培種のロシア黄色種の果汁には,ビタミン A・C・E を大量に含み,鉄分,亜鉛,アミノ酸,さらにオレイン酸・リノール酸・リノレン酸・バルミトレインをも含むことからバランス栄養食がシーベリーである(表 1).尚,ビタミン A・C・E が同一果実に含まれた貴重な果実といわれ.この 3 種類のビタミンにはそれぞれが強い抗酸化作用がある.加えて亜鉛は国内で栽培される生果実の中で一番の含有量である
引用元:「3.果実の成分特性と栄養素」
サジーの栄養素
サジーの実(果実や果皮、オイル)の含有成分299種あるのですが、
サジーの実をサジージュースにした場合の栄養素は200種類以上になるそうです。
各栄養素の含有量は、サジーが植物なので収穫時期等によって変動があるようですが、その中でも気になった目立った部分をまとめてみました。
- 鉄は、プルーン100%ジュース※の約20.7倍で生果実中No.1の鉄含有量
- カリウムは、わかめの約12.5倍
- ビタミンCは、レモン100%ジュース※の約9.8倍
- ビタミンE(α-トコフェロール)は、くるみの約3.4倍
- リンゴ酸は、りんご100%ジュース※の約5.7倍ですべての食品中No.1のリンゴ酸含有量
- 18種のアミノ酸は、米酢と比べて最大約49.6倍(アスパラギン酸)
- β-カロテンは、にがうりの約4.1倍
引用元:サジージュースの成分分析一覧 |日本サジー協会
ダントツな含有量の成分をまとめただけでもすごいのですが、これ以外にもたくさんの栄養素を含んでいるので、「スーパーフルーツ(ミラクルフルーツ)」なんですね!
そしてサジーは標高1200~2000mに自生し、とても生命力が強く過酷な環境でも生きることができるのですが、より厳しい環境で育てば育つほど、サジーの栄養価は高くなるそうです。
サジーの各部位について
サジーは果実だけでなく、種子や葉も食品や化粧品に利用することができるそうです。
またサジーの枝や根っこにも特徴がありました。
サジーの果実
サジーの果実は8~10月の間に実り、収穫は11月から2月の極寒の真冬に行われます。
種類により大きさ、色、味、成分が異なり、イクラの卵のような直径5mmの小さな実をつけるものや、1cmほどの実をつけるものもあるそうです。
冬期-40℃にもなる厳しい環境で凍結を防ぐために、実の中にはオイルが8%程度含まれています。
果実は、主にジュースとして利用されていて「サジージュース」や「シーベリージュース」と検索すると、たくさん検索することができます。
サジーの種子
サジーの種子は、ゴマよりも一回り大きな卵型で、果実には卵形の種子が1個含まれています。
サジーは果肉だけでなく、種子中の油脂含量は 10 % 程度あり、種子から抽出されるオイルは美容成分が豊富なため、主に美容業界で原料として使われているそうです。
またオメガ3系( α-リノレン酸 )や植物ステロールなどの脂肪酸を多量に含んでいるそうです。
サジーの葉
サジーの葉は細長い柳葉状で2~4cmほどの大きさ。葉の表は緑色、裏は銀緑色をしています。
サジーの葉は、まだ果実ほどの商取引は無いそうですが、サジーの葉は強い抗酸化作用をもっているので、医薬品・化粧品・茶・飼料に利用できるそうです。
2007年に公開されている日本食品科学工学会誌の「シーベリー葉ポリフェノールによる高脂肪食投与雄マウスの抗肥満効果」という資料を見ると、シーベリー葉にはその抽出液に抗炎症作用があることが報告されていて、さらにシーベリー葉ポリフェノールには「体脂肪蓄積抑制」効果があるようです。
サジーの枝と棘(とげ)
サジーの枝には、長く鋭い「棘(とげ)」がついているのですが、大型動物がいっぺんにサジーの果実を食べてしまうことから、身を守るために進化したものだと考えられているそうです。
またサジーは竹のように成長が早いので伐採してもすぐに回復するため、ネパールなどの国では枝や幹は良質の薪燃料として使用されているようです。
サジーの根
サジーの根には『フランキア』という放線菌が共生しているそうです。
フランキア(Frankia)は共生窒素固定放線菌という種類だそうで、空気中の窒素を取り込みアンモニア化合体窒素に変換し、自身の肥料に変えることができるのです。
https://www.sbj.or.jp/wp-content/uploads/file/sbj/9101/9101_index.pdf
サジーの種類
最近の研究では、サジーは6種17亜種存在しているともいわれているそうですが、日本サジー協会のサイトには6種12亜種が表示されていました。
サジーは種類により、大きさ・色味・味・香り・加工特性が違うそうです。
サジーの育て方
サジーを育てる前に、サジーの特性などを調べてみたら、実はすごい植物だということがわかりました。
サジーは標高1200~2000mに自生し、とても生命力が強く、以下のような過酷な環境でも生きることができます。
- マイナス40度の極寒の環境
- 紫外線の強い高山
- 温度差の激しい環境
- 日照りが強く干ばつが起こる環境
- 砂害や塩害が発生する環境
引用元:奇跡の果実“サジー”とは |日本サジー協会
過酷な環境でも育ってきた「サジー」の特性を利用すると、荒れた大地を蘇らせることもできるそうです。
サジーは竹のように成長が早く、横に力強く根を張るため、がけ崩れや土壌浸食などを防止することに優れています。
さらに、サジーには空気中の窒素を取り込み、アンモニア化合体窒素に変換し自身の肥料に変える能力があります。
年間降雨量の乏しい砂漠でも自生できる上に、根粒菌が窒素固定を行うので土壌改善にも優れ、他の植物の発育を助けます。
サジーの需要が高まれば、砂漠化を防止することにも繋がるのです。
引用元:砂漠を緑に変えるサジー |日本サジー協会
色々と調べていったら、2003年3月に発行されている北海道農業研究センターの石井現相さんが書かれた「新しい小果樹ヒッポファエ栽培マニュアル」を発見しました。
サジーの特性から始まり、栽培環境、植え付け管理、病害虫や雑草のこと、収穫方法から商品加工までまとめられているのですが、果樹園として成り立つための条件や情報が満載です。
https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2010670573.pdf
サジーは雌雄異株の風媒花植物
先ほどのマニュアルを見ていたら、サジーは雌雄異株の風媒花植物であることがわかりました。
風媒花植物は、ハチなどの虫に受粉してもらう虫媒花とは違い、マツやスギ・イチョウ・ヒノキなどと同じように、風の力で受粉する植物です。
そして雌雄異株なので、果実を作るためには雌株と雄株が必要になることがわかりました。
スーパーフルーツ「サジー」が200種類以上の栄養成分が含まれていてすごいらしい! のまとめ
「サジー」について、たくさん調べてみたのですが、調べれば調べるほど面白い情報が出てきました。
最初は「サジー」で調査したものの、名前が色々あることもあり「シーバックソーン」「シーベリー」「ウミクロウメモドキ」「スナヂグミ」「オビルビーハ」の名前で論文や情報が色々出てきました。
含有している栄養成分は他にはないぐらい多く、生命力が強い植物なので育てるのはそまで難しくなさそうです。
課題はあるようですが、ヨーグルトとハチミツを混ぜて食べると美味しいので、地方移住後の農業で検討したいフルーツの1つになりました。
参考にしたサイト
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