『農業のマーケティング教科書』を読んでみた

読んだ本

久しぶりに図書館に行ったので、気になっていた農業に関する本を借りてみました。

今後の参考にできればと「農業」に関してもアンテナが立つようになったのですが、「農業+マーケティング+教科書」という、農業者向けの本ですね。

著者の岩崎さんは、静岡県立大学の教授・地域経営センター長・学長補佐をされている方で、有名な農産物では「アメーラトマト」をブランディングされていて、2022年4月にドイツ・ベルリンで開催されたフルーツロジスティカ(国際的な果物・野菜専門見本市)で、イノベーションアワードの最高賞である金賞を日本で初めて受賞したそうです。

そんな著者の「農業」に関するマーケティングやブランディングを知ることが出来ました。

『農業のマーケティング教科書』の目次

読者の想定は、もちろん農業者ですが、畜産・水産でも活用することができそうです。

  • 第1章 農業を再定義しよう
  • 第2章 農業にマーケティング発想を
  • 第3章 品質を決めるのは消費者である
  • 第4章 うまくいっている農家にはどのような特徴があるのか
  • 第5章 どうやって強いブランドをつくるか
  • 第6章 「違い」が価値になる
  • 第7章 どうすれば六次産業化は成功するのか
  • 第8章 農業の体験価値を伝えよう
  • 第9章 さあ、前に踏み出そう!

大学の先生が書いているので、調査に基づいたデータや重回帰分析などを行った結果などで構成されているのですごく納得感のある内容になっていました。

『農業のマーケティング教科書』の気になったところ

消費者は「食べるモノ」ではなく「食べるコト」を買う P.4

「モノ消費」ではなく「コト消費」になってきているのが、よく分かる部分でした。

空欄に入れる金額が、「モノ消費」と「コト消費」ではぜんぜん違うことがわかります。

農業でも「モノ」を売るのではなく「コト」として農作物を売るほうがいいってことですね。

生産者の「自己満足度」は上がっても、消費者の「顧客満足度」は上がっていない P.55

これはweb制作の仕事でも似たようなところがあるのですが、制作(生産)している側がいつの間にか忘れてしまう感覚の部分ですね。

「おいしいか、おいしくないか」を最終的に決めるのは生産者ではなく、消費者だ。

ごもっともですね。忘れちゃいけないところ。

「物語」で知覚品質が決まる P.72

別でデービッド・アーカーの「ブランド論」と「ストーリーで伝えるブランド」を読んでいるのですが、まさにそのままの内容ですね。

生産者の顔がわかる農作物は増えてきていますが、もう一歩踏み込んで生産のストーリーまでわかるようにして、認知されるようになるとブランディングされて、同じ商品でも付加価値をつけてより高く売れるっていうことです。

自分が誰かに指を向けているときには、あと三本の指が指しているものに注意 P.195

「〇〇離れ(による消費減少)」や「後継者不足」など、うまく行かない理由を外部要因にしているとダメだよっていうことを、中国のことわざで表現されていたのですが、前にどこかで聞いたことがあるような無いようなだったので、忘れないように。

著者情報

「アメーラトマト」だけじゃなく、マーケティングやブランディングの著書もあるようです。

『農業のマーケティング教科書』読んだ感想

マーケティングやブランディングの要素を、「農業」につなげて事例やデータを使ってわかりやすく、詳細に説明してくれているので、農業を始めたときには参考にしていきたい本ですね。

6次産業化もそうですが、お客さんが自分で収穫した作物を使って、石窯でピザ焼き体験もできたらいいなぁ〜とも思っているので、やっぱりこの方向で進めたほうが良さそうですね。

美味しいトマトを作って、ピザソースにして、ピザ焼き体験をした後に、お持ち帰り用のピザソースになって、オンラインショップでも買えるようになっちゃうと便利!

それもこれも美味しくないとダメですが。。

マーケティングとブランディングについては、農業に合わせていることもあって、基本的な方法や考え方が多いと思いますが、何であれ「○」と「□」をつなげて、新しい価値(「モノ」より「コト」)を作っていかないといけませんね。

この記事の本『農業のマーケティング教科書』

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