図書館で3冊同時に借りたのですが、この本は外注のコンサルタント・ターンアラウンドマネージャー(再生のために派遣される経営者)が経理・会計から見た宿泊施設の再生〜運営の話という感じなので、BS(貸借対照表)やPL(損益計算書)に付いての話も出てきました。
他の2冊は、インハウスから見た宿泊施設の再生〜運営と、経営理論をベースにブランディングもする経営者が見ている世界に誇れる宿泊施設の再生〜運営をしている星野リゾートの話だったので、それぞれを比較しながら勉強することができました。
『潰れかけたホテル・旅館を半年で再生する方法』の目次
- 第1章 斜陽化するホテル・旅館業界
(毎年100件近くのホテル・旅館が倒産している現実;50%のホテル・旅館は慢性的な経営赤字 ほか)- 第2章 潰れるホテル・旅館には必ず共通点がある
(おもてなしの心を強調する女将の宿ほど経営不振になる;ダメなホテル・旅館では棚卸を行っていない ほか)- 第3章 たった半年で再生可能な6つの処方箋
- 処方箋① 情報の共有化と仕事の「見える化」で組織を活性化させる
- 処方箋② 3ケ月で食材原価率を30%以下に下げる
- 処方箋③ 飲料メニューの改善で原価を確実にコントロールする
- 処方箋④ 直接費と間接費にメスを入れる
- 処方箋⑤ 料飲サービス部門の人件費は5割減らすことができる
- 処方箋⑥ 新しい宿泊セールスの仕組みを構築する
- 第4章 再生は決してイバラの道ではない
(3年後の経常利益黒字化・実質債務超過解消を目指す;再生までのマイルストーンを設ける ほか)
目次を読んでいくだけでも、ざっくりこの本の内容を把握することができちゃいます!
『潰れかけたホテル・旅館を半年で再生する方法』の気になったところ
P.19 生活衛生関係営業に関する調査結果
業界の情報を知りたいと思っていたら、日本政策金融公庫が調査を行っている「生活衛生関係営業に関する調査結果」というものがあることを知りました。
四半期ごとに調査されているようで、最新版は2024年10月29日が公開になっていました。
P.50 オーナーが設備業者に借金をしている
事業を継承するときには、見えていない部分になると思われるので要確認ポイントですね。
P.84 食材原価率は食泊分離で管理する
「食泊分離」は初めて聞いた単語です。
P.91 インフォマート
処方箋①の情報共有はサイボウズでしたが、発注業務にはECサイトのように利用できるサービスがあるんですね!
P.116 ぼったくられないよう、瓶ビールを注文しろ
へぇ〜!って(笑)
P.185 「面の再生」
地方移住を考えているので、気になっていた部分ですね。
ペンションを目的地にしようとも考えていますが、観光地としても集客力がある方がメリットは大きいので、地域一帯の「面」を再生していかないとだめですよね。
『潰れかけたホテル・旅館を半年で再生する方法』読んだ感想
著者は、ANAクラウンプラザホテル京都で社長でホテル再建コンサルタントもしていて、主にファイナンスの責任者をしていたということなので、経理・会計から見た宿泊施設の問題点が中心に書かれている著書でした。
施設経営者がインハウスから見た再建とは違う切り口の話だったので、これも参考になりました。
また日本政策金融公庫のデータや受発注サービスを知れたことも嬉しいです。
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